大豆島(まめじま)甚句体操
制作:長野市立大豆島公民館(平成30年)
対象:主に高齢者
目的:フレイル予防(フレイル:要介護になる危険が高い状態)
体操制作に関わった人:公民館職員、ピラティスヨガの講師
主な利用場面:公民館主催のフレイル予防講座、大豆島甚句まつり等
大豆島公民館 館長の髙池一昭さんにお話を聞きました。
編集長
「公民館がご当地体操を作ったというのは全国的に見ても大変珍しいです。経緯を教えてください」
髙池館長
「地域の伝統文化である『大豆島甚句』を題材にしたご当地体操を作ってみたい!』という職員のアイデアです。大豆島甚句保存会の承認を得て、当公民館でピラティスヨガをお願いしている講師に振付を考えてもらいました。平成30年と31年は公民館講座『大豆島甚句でご当地体操』を開催し、これが好評につき、令和元年からは毎月19日を甚句の日として、講師の振付を収録したDVDをスクリーンに映して体操を行ってきました」
編集長
「『大豆島(まめじま)』という地名も珍しいですが、大豆島甚句というのは、どのようなものなのでしょうか?」
髙池館長
「『大豆島甚句』は作者も起因も明らかではありませんが、一説によると、江戸時代中期からのもので、農作業唄として唄われていたそうです。大豆島は養蚕と稲作で栄えてきました。『お蚕様に餌の桑をくれ、そのかごを棚に差し込み、また次のかごを引き出し、桑をくれては棚に差し込む』。このしぐさを踊りに取り入れ『大豆島甚句踊りの型』となっています」
編集長
「これまでの成果と今後の展望をお聞かせください」
髙池館長
「住民主体で開催している地域の体操教室で取り入れられるなど、着実に広がりつつあります。今後は他の公民館と連携して『ご当地体操交流会』の開催や次世代の担い手である地元の小学校の児童にも広めていきたいと考えています」
<長野県長野市大豆島>
人口約1万3千人(長野市全体は約37万人)。大豆島甚句のほか、加賀三代藩主の前田利常が参勤交代で善光寺を訪れた際に鑑賞し、命名したとされる名菊「巴の錦(ともえのにしき)」の原産地でもある。
編集長のコメント
「大豆島公民館ではラジオ体操の出席カードを模した『甚句の日いらっしゃ~いカード』を作成しています。こういう小さなアイデアが参加者のモチベーションを高めて、継続につながっています」