アクティブ体操® part1
制作:JFEスチール㈱ 西日本製鉄所(岡山県倉敷市)(2004年)
<効果>
「アクティブ体操®」part1:腰痛・肩こりなどの運動器疾患の予防
「アクティブ体操®」part2:体力低下が原因となる転倒などの労働災害の予防
<対象>
自社の社員、協力会社社員
<利用場面>
JFEスチールの全事業所
8時50分 :「アクティブ体操®」part1 所内放送
15時00分 :「アクティブ体操®」part2 所内放送
動作指導・体操制作 ヘルスサポートセンタースタッフ(アスレティックトレーナーと健康運動指導士)
映像出演:外部のチアリーダー(4代目)
JFEスチール㈱西日本製鉄所 安全健康室の乍(ながら)智之さんにお話を聞きました。
編集長
「御社は昨年に引き続き、今年も健康経営銘柄(*)を受賞されました。その評価ポイントの一つがこの体操でした。制作のいきさつを教えてください」
(*)経済産業省と東京証券取引所が共同で優れた健康経営を行っている企業を選定(2019年度は28業種37社)。
乍さん
「はい。2004年の制作当時、従業員の休業理由が循環器、呼吸器、消化器、ガン、メンタル等々の疾患よりも、腰痛等の運動器疾患による原因が多かったことが理由です。当時はラジオ体操を行っていたのですが、マンネリ化しており、実施率も相当低い状態でした」
編集長
「なるほど、気分を一新する意味もあったんですね。体操づくりで重視した点を教えてください」
乍さん
「part1は開発にあたり、製鉄所の作業を分類し、各作業による身体への負担を予測しています。その負担を軽減するための種目で構成(これまで自社で腰痛改善に効果を認めた運動など)しているのが特徴です。それにより腰痛や肩こり等の予防を目的としています」
編集長
「5年後の2009年にpart2を開発されますが、part1との違いを教えてください」
乍さん
「part2は転倒予防が目的です。part2を開発した背景には、雇用延長等に伴う従業員の高齢化が進む中、中高年の体力低下が原因と推定される転倒災害の発生が増加傾向にあったことがあります。転倒しやすい不良姿勢や加齢による体力機能の低下、関節の問題を考慮しています」
編集長
「これまでの成果をお聞かせください」
乍さん
「一番は腰痛による休業が大幅に減少していることです。それにより、休業損失金額もかなり削減できています。また、全社的にみても、健康診断時の腰痛や肩こりに関する訴えが最も少ない結果が出ています」
編集長
「驚いたのは、地域の企業や団体から要望があれば、体操の出張講習を無料でされているそうですね。そういう意味で、社会貢献活動にまで発展しています」
乍さん
「化学メーカーさん、農業試験場さん、船員災害防止協会さんなど毎年十数件の講習をさせていただいております。これからも大勢の働く人に利用していただきたいと思っています」
<JFEスチール株式会社>
従業員数(連結)は約45,000人。日本を代表する鉄鋼メーカーの1社。体操のネーミングは体力向上や腰痛対策を人任せにするのではなく、積極的に自ら取り組んで欲しいとの思いから「アクティブ」にした。
編集長のコメント
「よく考えられた職場体操だと思います。どちらかというと、私はPart2の方が好みかも。両手を横に伸ばして腕をグルグル回す運動は肩こりにとても効きます」