健康経営優良法人に選ばれるための最初のステップ「健康宣言に参加」はクリアしました。
(FAXを送っただけですが…)
これから、健康経営優良法人の認定のため、本格的に活動を行っていきます。
社長プロジェクト?とはいえ、会社全体で取り組んでいくためには、社員の理解が不可欠です。
そこで、毎週行っている全体会議の場で、説明をしました。
言葉だけだと説得力に欠けるので、
経産省のホームページにあった難しそうな資料も何枚か出しました。
「健康経営は、社員の健康のためだけでなく、生産性の向上などにも役に立つそうです。
だから、当社は健康経営優良法人を目指そうと思います!」
シーン…。
あれ?まさかのノーリアクションです。
なぜか社長も黙っています。
やがて、経理部長が訝しげな顔で反問してきます。
「主旨はまぁわかった。それでひとつ聞きたいのだが…、
その認定を受けて何か直接的なメリットはあるの?
たとえば、自治体への公募で加点されるとかね」
予想外の厳しい意見でした。
しかも、周囲も経理部長に同調するような雰囲気です。
もしや、みんな面倒なことをやらされるのではないかと、警戒しているのではないか。
あるいは、経産省の資料が裏目に出たか。
私は完全にテンパります。
「た、たしかに、会社の売り上げに直接貢献するようなことはないと思いますが、
いろいろ役に立つと思います。たとえば…イメージアップとか」
経理部長は苦笑しながら、
「イメージアップねぇ。そういうのは余裕がある大企業がやるものなんじゃないの。
だいたい、イメージアップで仕事が取れるのか?費用だけかかって、売り上げが上がらないと経理としては、困るんだけどね」
額から冷や汗が止まりません。
もう勢いで押し通すしかありません。
「極力費用は欠けませんし、皆さんが負担に思うようなことはいたしません。だからよろしくお願いします!」
長い沈黙の後、社長がつぶやきます。
「まぁ、とりあえず、やってみたら」
結局、この鶴の一声で決まりましたが、先が思いやられます。
さて、それから当社の保険者である協会けんぽ・東京支部を訪ねます。
具体期にどうすれば、健康経営優良法人になれるか、相談をするためです。
名刺に「健康経営アドバイザー」と書かれた方に対応していただきました。
「健康経営優良法人に推薦するためには、健康企業宣言のSTEP1を実施していただき、銀の認定を受けてもらいます」
健康企業宣言のSTEP1?
銀の認定?
私は相変わらず勉強不足でしたが、協会けんぽの方は丁寧に説明してくれました。
「来年の健康経営優良法人に間に合わすならば、
9月中旬くらいまでに銀の認定がとってもらう必要があります。
銀の認定というのは、このチェックシートにあることをやってもらいます」
従業員が健康づくりに話し合える場はありますか(5点)、健康測定機器を設置していますか(5点)、
従業員の仕事中の飲み物に気をつけていますか?(3点)、
従業員にたばこの害について周知活動をしていますか?(3点)、
気になることを相談できる職場の雰囲気をつくっていますか(3点)など、18の項目で
80点以上取れば認定だそうですが…
やっていないことばっかりじゃん!
担当の方はまずは計画づくりからやりましょう、とスケジュールのサンプルをくれました。
これをつくるだけでも大変!
9月中旬まで、あと4か月(この時は5月中旬)
果たして、今から間に合うのだろうか…。
そもそも無謀だったのか。
しかし、会議の場であそこまで言ってしまった以上は
今さらやめずらい…。
突然、落ち込んでしまった私。
次の一言で、完全に崖から突き落とされます。
「健康担当者がひとり頑張りすぎて、結果的に疲れてやめてしまうことが
結構多いので、くれぐれも気をつけてくださいね」
(この連載は不定期更新です)
虎ノ門ではたらく健康推進部長(見習い)。
全国健康保険協会(協会けんぽ)東京支部・健康保険委員。日本成人病予防協会認定 健康リズムカウンセラー(健康管理能力検定2級)。市民ランナーなど肩書だけは多い。
8月の健検(日本健康マスター検定)は不合格。来年に向けて勉強中。