識者に訊く「新薬は高いのか?」 中外製薬株式会社 永山 治 代表取締役会長

識者に訊く「新薬は高いのか?」 中外製薬株式会社  永山 治 代表取締役会長

 

 

  1. 新薬には高い値段が付くケースもあるが、昨今のゲノム創薬の時代においては1つの新薬を生み出すために約26億ドル(約2800億円)のコストが必要とも言われている(*)。画期的新薬を継続的に創出するにはその価値に見合った値段により、かかったコストを回収できないと研究が続けられないという背景がある。(*)J.A. DiMasi, et al; J Health Economics, 47, 20-33, 2016
  2. 医療費の削減は当然国の重要課題であるため、特許の切れた品目の値段が下がることは理解できるものの、革新的な新薬の値段までも下げてしまうと、これまで治らなかった病気を解決するための研究が続けられなくなる。費用削減とイノベーション促進のバランスが重要。
  3. また画期的新薬の場合、対象疾患の治癒、進行・再発の回避などにより、中長期的に見れば医療費を抑制できる可能性もあり、一概にその値段のみをもって医療費高騰につながるとは言い切れない。

 

~知ってるつもり?!~

「薬価(やっか)」
ドラッグストアなどで買える薬は一般用医薬品といい、製薬会社が自由に価格を決めることができる。一方、医師が処方する医療用医薬品は健康保険の対象のため、すべての薬の値段を国が決めている。この値段は現在2年に1度改定されているが、2021年度からは毎年改定となる。

 

中外製薬株式会社 永山 治(ながやま・おさむ)代表取締役会長 プロフィール
1947年、東京都生まれ
1971年、日本長期信用銀行 入行
1978年、中外製薬 入社
1992年、同社代表取締役社長 就任
2012年、同社代表取締役会長 就任
日本製薬工業協会会長等を歴任
7,000歩のウォーキングが日課。

識者に訊くカテゴリの最新記事