ご当地健康体操29 「誤嚥にナラん!体操」奈良県

ご当地健康体操29 「誤嚥にナラん!体操」奈良県

誤嚥にナラん!体操

制作:奈良県健康長寿共同事業実行委員会(2014年)

対象:主に高齢者の方
効果:高齢者に多い誤嚥性肺炎の予防

企画:医師、歯科医師、大学関係者、保健師、高齢者で構成する有識者会議および言語聴覚士、理学療法士等によるワーキンググループ
出演:畿央大学の学生
主な利用場面:地域の自治会館や集会所などで開かれるサロンや老人会、介護予防教室等

奈良県後期高齢者医療広域連合事務局次長 楠原秀章さんにお話を聞きました。

編集長
「誤嚥(*)という言葉は以前はあまり知られていませんでしたが、近年その存在がクローズアップされています。日本人の死亡原因は、長年にわたり、1位がん、2位心臓疾患、3位脳血管性疾患の順でしたが、2011年肺炎による死亡者が脳血管性疾患を追い抜いて、第3位になりました。肺炎で亡くなる人が増えた背景には、誤嚥性肺炎で命を落とす高齢者が多くなったことが挙げられます」
*誤嚥…食べたものが食道ではなく、気管や肺に入ってしまうこと。のどの筋肉の衰えが原因。

楠原さん
「はい、高齢者に多い誤嚥性肺炎を予防するために口腔機能の低下予防を重視した施策展開が必要と考え、この体操の制作に至りました。この体操には3つのポイントがあります。①誤嚥を防ぐために、飲み込む機能を維持する。②気管に入ったものを吐き出せるよう、むせる力を強くする。③身体の筋力を強化し、バランス能力を高めることです 。これらのポイントを踏まえた全身運動により『誤嚥しにくい体』をつくるだけでなく、『転びにくい体』もつくるように工夫しています」

編集長
「普段はどのような普及活動をされていますか?」

楠原さん
「運動指導員を派遣し、地域のサロンや介護予防教室等で体操を普及しています。2017年度の訪問回数は106回です」

編集長
「メッセージをひと言お願いします」

楠原さん
「『誤嚥にナラん!体操』は5分程度と短く、手軽に行うことができます。動きもさまざまな要素からつくられており、楽しく行うことができます。また、座りながらの動きもあり、一人ひとりの状態に合わせることも可能です。まずは実践。動画をみながら、無理なく、自分のペースで体操を行ってみてください」

<奈良県後期高齢者医療広域連合>
平成19年設立。奈良県内全39市町村(12市、15町、12村)を構成団体とする。
被保険者数は約20万人。(奈良県人口の約15%)

編集長のコメント
「最近、食事中によくムセるようになった」、「薬やサプリメントなど、大きな錠剤を飲み込みづらくなった」
こんな症状に心当たりがあったらご注意。早い人は40代から誤嚥になります。

ご当地体操の殿堂カテゴリの最新記事